近年はなんでも見える世界になりました。SNSでは見栄えを追究するあまり本質を見失うような出来事が多いような気がします。
昔から使われている言葉で「ごめんください」や「お邪魔します」という言葉がありますが、これは相手の背景を思い遣り、使われている言葉です。このように、日本人は人の見えない部分を思い遣る性格だからこそ奥ゆかしい文化が根付いたのではないでしょうか。そしてまた更にその根っこには、すべてには神が宿るという八百万の神を崇拝し、感謝していた古来からの日本人の宗教観が大きく関係費ているのだと思います。
現代では見えない存在を感じることは中々難しいかもしれません。ですが身近な存在である先立たれた家族や、ご先祖様を感じることはできます。仏壇に手を合わせたり、お墓参りに行ったり、日々の出来事や悩みを相談することにより悩みや苦しみが軽減した話を私はよく耳にします。中にはそれが「思い込みだ」という人もいるかもしれませんが、大切な家族やご先祖様のお陰様と感謝することを習慣付けることは、私生活でも周りの人への思い遣りの力を鍛える練習にもなります。
仏様がいるかいないか、それは自分の命が尽きた時にいつか知ることです。今できることは私たちは命ある限り、受けた恩を忘れず、感謝の気持ちを伝え行動することが今も人生を豊かにする鍵なのではないでしょうか。