楽しい時

 今回の標語は月に叢雲(ムラクモ)花に風です。訳すと、美しい月には雲が群がって、美しく咲いている桜は風が吹いて散らしてしまう。要するに「世の中の楽しいことには何かと邪魔が入り長続きしない」ということです。

 例えばウキウキしている恋愛も何かと邪魔が入り中々上手くはいかなかったり、楽しいゲームをしていると仕事の連絡が入ったりなど、様々な場面で皆様もそんな経験が一度はあると思います。更に大きく考えてみれば人生はそんなことの繰り返しのような気がします。叢雲のような人間関係のいざこざもあれば、気づけばお金が風のように飛んで行ってしまうこともあります。ただ、一つ言えるのはそれこそが人生だということです。

 昔、「難」が無い人生は「無難」な人生、「難」がある人生は「有難い」人生。と聞きました。まさにこれは心理で、困難に陥った時に周りにいる人の大切さがわかったり、苦しい時を乗り越えた時に人は喜びを感じます。そのような時を繰り返すことにより、人は成長するものです。今皆様を覆う雲や風は、そこに一生あるものでは決してありません。時間は楽しい時も苦しい時も平等に過ぎ去ります。前を向いて歩きましょう。