少しづつ暖かくなってきました。常に薄着の僧侶としては大変嬉しいのですが、春の匂いと共に歩み寄って来て困るのが…花粉です。私は花粉症の症状はそこまで酷くはないのですが、僧侶仲間の中には常に薬を飲まなければならない僧侶もおりまして辛い修行だなぁ...と毎年思います。
昔花粉症について特集をしているテレビを見たことがあります。花粉症にかかる人とかからない人の違いは、体の中にある花粉の入る『器』の大きさが違うと言っていた覚えがあります。なので、器が一杯になった時にハクションと嚏が出たり涙が出るとのことでした。
さて、私たち浄土真宗は念仏を唱えますが、この念仏の概念と花粉症は少し似ているところがあります。よく浄土真宗では『念仏が零れる』と描写されることがあり、それは自力ではなく、阿弥陀仏の他力により唱えさせていただいている念仏だからです。嚏や涙と同じように、自分の意とせずに、気づかぬ内に感謝の想いや自分の至らなさにフッと零れるのが私たち浄土真宗の御念仏です。ただし、御念仏は絶対的に何回出ても嫌に思わないのが花粉症と違う所なので、魔法かなにかで日本中花粉と御念仏を交換できれば最高なんですが…中々そうもいかないので、今年も御念仏は唱えさせていただきながらも花粉には注意したいです。