ハロウィンの季節になりました。ハロウィンは日本でいうところのお盆と同じようなものに当たります。ご先祖様があの世から戻ってくる際に、悪霊も一緒に戻ってきてしまう為、怖い仮装をして悪霊を追い返そうということのようです。そしてハロウィンが終わると、11月1日はメキシコの死者の日という骸骨を印象に残る宗教的な日がありますが、これもまたお盆と同じく先祖があの世から帰ってくる日とのことです。
このように、世界を見てみると、お盆と同じようにご先祖様が人間界に帰ってくるという宗教的な日は数多く存在します。その共通点はなんといっても「感謝」だと思います。ご先祖様への恩を少しでも返そうという想いが人間の根底にあることがよくわかります。
私たち浄土真宗は「南無阿弥陀仏」の御念仏を【報恩感謝の御念仏】といただいております。一般的には様々な願いの為の御念仏の印象がありそれも間違いとは言えませんが、私たち人間が煩悩を抱えたまま即成仏できるようにしてくださった阿弥陀様に対しての感謝を御念仏に変えて唱えるのが私たち浄土真宗です。
だからと言って私は皆様に無理やり念仏を唱えろとは言いません。まずしなければならないことは、身近な仏様に対しての感謝を伝えることです。是非お盆やハロウィンや死者の日を御縁に、御先祖様や先立たれた大切な方に感謝を伝えていただければと思います。