人は二度死ぬ

お盆の季節になりました。浄土真宗においてはお盆だけに御先祖様が帰ってくるという教理でないために特別な形の法要は行いませんが、お盆のような仏事で御先祖を思い出すことはとても良い御縁だと思います。

 標語の「二度」というのは一度目は肉体的な死を表し、二度目は人々の記憶から忘れ去られた時の死を意味します。この二度の死の概念は昔から日本でもあったそうですが、私が知ったのは2018年に公開されたディズニー映画の「リメンバーミー」という映画でした。リメンバーミーはメキシコの死者の日がテーマの映画です。この死者の日というのが日本のお盆と非常に似ていて、11月1日に御先祖様が帰ってくるので盛大に明るくお迎えするのがメキシコ死者の日です。この映画は家族の絆がテーマになっており、私は娘と見て号泣してしまいました…。是非見て欲しいです。

 さて、お盆や死者の日は、国や宗教を超えて共通しているもので人間として大切な考えであることは確かです。それは見えない自分を支える存在に想いを寄せることが人間にとって大切だからこそだと思います。今目に見えている全ての物が、見えない人や努力によって形成されていることを私たちは忘れてしまいがちです。そこに想いを寄せることが日々の感謝に繋がります。御先祖様が残して下さったこの命、そして今生きている他人に生かされているこの命。今日も有難く頂戴致します。南無阿弥陀仏。