天上天下唯我独尊

4月8日はお釈迦様の誕生日でございます。本題は、お釈迦様が生まれて東西南北に歩き、右手は天を、左手は地を指し発せられたと言われている言葉でございます。勿論産まれてすぐにそんなことは実際にはございません。これはお釈迦様のお弟子さん達が、お釈迦様の偉大さを例えた言葉でございます。一般的にこの言葉は「自分が1番偉い」「自分より偉いものはない」など自惚れの意味で使われておりますが、実際の意味は違います。

 ふだん私たちは、これこれの「財産がある」からとか、「名誉や地位がある」からといったことによって、自らを他と比べて立派だと思いこんでしまいます。「家柄がいい」とか、身体に障害をもつ人よりも「健常」である自分のほうが上だと無意識裡に考えてしまうことがあります。

 しかし、この言葉は人間は何らかの条件によって尊いのではなく、人間のいのちの尊さは能力・学歴・財産・地位・健康などの有無を超えて何一つ付加することなきままで尊い「私」を見出すことの大切さを教える言葉でございます。

 自分が尊いということは、他人も尊い。だからこそ自分と同じように他人も大切にしなければいけないということでございます。繋がる全ての命に感謝しなければいけません。有難いことです。