近年インターネットやSNS内での誹謗中傷のニュースが多く見られます。残念なことに自死を選んでしまった芸能人の方もいらっしゃいました。一昔前であれば芸能人や著名人の方との距離は遠く、テレビや新聞雑誌でしか私たちはその方々に触れることはできず、どこか「別世界の人」でありました。
ところが今はインターネットの普及により、様々な活動がすぐわかり、SNSではコメント欄などに自分の意見を発信できるようになりました。それが良し悪しで、応援の声も届けば誹謗中傷も届き、今では誹謗中傷でコメントが埋まってしまうことを「炎上」という言葉に置き換えております。
芸能人や著名人の方の想いや活動が目視できすぎるあまり、どうしても一般人である自分の想いや活動と比べて劣等感を感じてしまうことが、誹謗中傷に繋がる原因の一つと私は考えております。
私たちは日々の生活の中で「自分の影」をいつも認識する必要があります。なぜなら突如眩い光を浴びると私たちは目をつむり後ろを振り返り、そのときにできた「自分の影」を直視して驚き、そして落胆してしまうからです。そうして落胆したときに、眩い光を発する物に対して「ふざけるな!眩しいよ!」と怒りをぶつけてしまうのかもしれません。
だからこそ、自分の影を直視する習慣をつけなければなりません。光あるところに必ず影はできます。
浄土真宗では阿弥陀仏の慈悲を光に例えます。そして私たち人間は死ぬまで煩悩を捨てることはできないとも残されています。ですがそれが人間です。そんな煩悩という影のある私たちは、阿弥陀仏の光を絶えず浴びていることを感じることで、自分の影の存在を認識することができます。認識していれば私生活で対応することができます。突如浴びた光に腹を立てることもなく、「暖かい」と感じることができます。
この人間の世界にも、お浄土にも私たちに光を当ててくださる存在が沢山あります。その光は様々な色で私たちを照らしてくれています。そしてまた、私たちも誰かを照らす光になることができます。
私自身も御縁をいただいた方に「暖かい」と思っていただける光になれるように、自分の影を直視しながら生活しようと思います。
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